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sagesaka noriko

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12月31日 また来年




おじさん


 車、うしろ開けてあるか?

昨日の午後、やっと畑に行くことができた。
挨拶も早々に、おじさんは用意してあった野菜を
小屋から次々に出してきてくれた。
紙箱に山盛りのホウレン草、
根が付いたままなので土がこぼれないよう、ビニールの手提げ袋に入ったコマツ菜。
太ネギ、サトイモ、キャベツ、ブロッコリー、京菜。

 カブも持っていくか?
 甘酢漬けにするといいよ
 店のはおっきくなったのばかりだから、
 この辺の小さいのを

そういって、小さめのカブを次々に抜き取る。
葉のところを紐で縛って出来上がり。
娘が車に積みに行く。
車は八百屋でも始められそうなほど、野菜がいっぱい。

 ネギ、細いのが脇の方に別に巻いて
 太ネギと一緒にしてあっから
 年越しソバの薬味用


ホウレン草


時期をずらして蒔いたホウレン草。
先に蒔いた分は、もうすっかり収穫済み。
何度も霜が降りて、ホウレン草は、どんどん甘味が増すだろう。
太ネギもお正月用に収穫されて、随分と少なくなってきた。

 今年も本当に、どうもありがとうございました
 よいお年を
 おじさん、風邪ひかないようにね

 おたがいな
 じゃ、またな

 正月は、お囃子か?
 おばあちゃんとこ、行くんだろ
 気をつけてな
 風邪ひなかいようにな

 いっぱいありがとう
 バイバイ、おじさん
 よいお年を
 またね

 またな


小屋

 
明日からの新しい年も、無事な一年でありますように。




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12月26日 八百屋さん




荷台


娘とおじさんの畑へ。
小屋の前の車の荷台いっぱいに、野菜が積み込まれている。
ものすごい量だ。
畑にある時よりも、ずいぶん大きく見えるハクサイ、
転がり落ちそうなほどのキャベツ、ゴボウに京菜にコマツ菜……


おじさん


おじさんは奥の小さな広場で木々の剪定中。
もう日が傾いてきたので、夕方の畑は急に寒くなる。

 え? もう4時になるか?
 じゃ、そろそろ上がるかな

作業に夢中だったおじさんを驚かせた私たち。
時間を聞いて、また驚くおじさん。

 これから、配達
 午前中も6軒ばかりまわったんだ
 みんな、あてにしてるからよ
 待ってるからな
 
 うん、町会のもんや、あとはいろんなことで
 お世話になったとこにな
 盆踊りやら何やらで、手伝ってくれたお店とか
 暮れにお礼にまわるんだ

 おたくも、お正月の野菜、今日持って帰るか?

 明日からしばらく留守にするから、
 30か31日にまた来ていいですか?
 おじさん、暮れまで畑にでてますか?

 来てるよ、他、行くとこないから、ハハハ


ハクサイ


 ハクサイ、持って帰りな
 生でサラダにして食べてもおいしいよ
 
娘が喜んでおじさんの後をついていく。
なるべく小さめのハクサイを選んで、
でも2つも採ってくれた。


焚き火


 じゃあ、これから配達だ。
 留守のとこもあるから、これに入れて置いてくるんだよ

ちゃんとダンボールも積み込んだ。
収穫して、ここまで積み込むだけでも重労働。
これを配達してまわって、荷台からおろすのも重労働。
そもそも、ここまで育て上げることだって、そうなのだ。

私たちは、小さな広場で切ってもらった椿の花の枝と
見た目以上にズッシリ重いハクサイをいただいて帰った。




12月18日 姫ユズ




えだ


用事で出かける途中、大回りして畑に寄ってみた。
車はあるけれど、今日もおじさんの姿が見えない。
畑に人の気配もない。

畑の中に植えられているいろいろな木や、生垣が、
皆、刈りこまれてすっきりしている。
畑の作物が一段落した後、おじさんは畑の中やご自宅などの
植木の手入れをしているようだ。

畑の中のあちらこちらに、ここには生えていない樹木の枝が束ねて置いてあったり、
小さな広場の地面に敷き詰められているところを見ると、
あちこちで剪定の仕事をしている様子だ。
上の写真は、「小さな広場」のザクロの枝。


小さな広場


「小さな広場」に入ると、広場に続く下の森から、いろいろな鳥の声が響いてくる。
その声の響き具合から、下の森の広がりを感じる。
「小さな広場」に生えている木で切り取られた空を、
鳥たちや、もっと高いところを飛行機たちが横切る。
もし、崖を下って、少しだけ森に足を踏み入れたら、
ここではないどこか別の場所に居るような気分になるだろう。
でも、何となく入ってはいけない場所のような気がして
小さな広場からのぞき込むように眺めては、想像するのみ。


下の畑


下の畑のキャベツの畝の間では、
マメの芽がだんだん大きくなってきている。
毎年作る、キヌサヤ、グリンピース、スナップエンドウ、のはずだ。
キャベツの収穫が終わる頃、入れ違いにこれらのマメが大きく茂るだろう。
今年はその組み合わせを採用したのか、
奥の畑にも植えられているキャベツの畝の間には、
ソラマメが芽を出している。

上の畑、小屋の方に戻ろうと歩いていると、
桜の木の下からおじさんがこちらを見ていた。

 下のアパートんとこの木を刈ってたんだ
 雪でも降ったら、傘さして通れないと思って

 ニンジン、掘ったよ
 箱に土、入れて埋けてあるから、
 今度、車で来たとき持って帰んな
 イモも、そんときでいいな
 さ、寒くなる前に終わらせるとするか

そう言って、車の荷台から箕と竹ぼうき、
小屋の中から小さな熊手を取り出して、施錠した。

 駅に行くなら、こっちから行けばいい

左右をキョロキョロ、畑の中の様子を観察し、確認しながら歩く
おじさんの後ろについて、奥の畑につながる道をゆく。

 あ、おじさん、これ、何ですか?

 ん? あぁ、ゴボウ。ゴボウ、埋けてあんの

しばらく進んで、レジャーシートのような、プラスティックをたたんだものを拾い上げた。
そこにある道具置き場に戻すのかと思ったら、
持ったまま、畑の出口に向かい、アパートのある階段の方に進んだ。


おじさん1


アパートの横の、ツツジの生垣は既に剪定済み。
葉や枝がコンクリートの階段に散っている。
おじさんは、小さな熊手で、枝に引っかかった切りくずや
根元に溜まった切りくずをかき集め、下に落とす。
さっき拾ったプラスティックは、広げると自立する大きなバックだった。
落ちていたわけではなく、帰りがけに持って行くのを忘れないよう、
アパートの方から小屋に来る途中で、道具置き場から出しておいたのだろう。
それから、竹ぼうきで、階段をはく。
集まった葉は、バックの中へ。

 これ、いちいち広げなくても口をあいてるし
 箱と違って小さくたためるし、便利なんだよ

おじさんの移動に会わせ、私はバックを持って移動する。

 あぁ、よかった
 通るたんび、ずっと、気になってたんだ
 枝、ちょっとでこぼこしてるけど、いいだろう
  
 そうだ、ユズ、冬至だからユズ持っていきな


おじさん2


アパートの駐車場から裏をまわって、
小さな階段をのぼりユズの木のところへ行った。
ここは、いちばん奥の畑から、下の森に入ったところの入り口にあたる。
梅の古木、夏みかん、ユズ、そして今日いただいたのは姫ユズ。
実が小さなユズ。カラタチに接ぎ木して育てたそうだ。

 今年はこっち、1個もなんないんだよ
 去年はいっぱいなったんだ
 
 1個も? そんなことって、あるんですね

姫ユズの横にあるユズが、今年は実らなかったのだそうだ

 あるなぁ……
 百姓なんて、自然と博打うってんだから、ハハハ
 その代わり定年はないし、首にもならない
 いざとなったって、食べるもんは作れる

 さぁ、終わった
 今日はもう上がりにするよ
 

おじさん3


 



12月13日 お留守



何か


車はあるけれど、おじさんの姿はない。
探しつつ、畑を散策。

ニンジンがすべて収穫済み。
元サツマイモ畑に埋け直して貯蔵してあった。(葉っぱが出ているのでわかるのだ)
頭しばりしたハクサイも、いくつか収穫済み。
その横の畝の、糸のように細かった、再来年用の太ネギの苗も、
だいぶ立派になってきた。
奥の畑に行く道を歩いていると、三角畑の横にこんなものが。
たぶん、ここにも何かを埋けてあるのだろう。
シートを被せ、飛ばないように丸太で抑え、まではともかく、
この四方の枝は、どんな意味が?
何が埋けてあるのか、枝の意味は何なのか、
今度おじさんに聞いてみよう。


落ち葉箱


畑の奥の小さな広場にある、落ち葉箱。
だいぶ葉っぱが溜まっている。


小屋


奥の畑にもおじさんは居なかった。
今日はどこで作業しているのだろう。




12月10日 二度目の電話




おじさん


 明日、しめ飾り作るからさ
 写真撮るなら、来るといいよ

月曜の夜に、おじさんから電話があった。
おととし初めて、おじさんが作ったしめ飾りを見た。
昨年は作るところを見たいと言って、
そろそろ作るよとは聞いていたが、ある日行ったら
まさに作り終わったところだった。
私が残念がったのを覚えていてくれたらしい。

 朝からですか?

 うーん、昼過ぎだな

しかし、到着するとほぼ出来上がっていて仕上げの作業中。
今年も遅すぎたか……
 
 こんにちは

 あぁ、来たか
 忙しかったんじゃないの?
 
 もう、出来上がりですね

 これ、ここに棒、挿して
 神社でもらってくるお札を付けるんだよ
 15日にばあさんがもらいに行くんだ
 それをつけて出来上がり

お飾りが形良く弓なりになるよう、癖を付けながら
吊り下げるための縄を付ける。

 最近は荒神さまもかわいそうだ
 みんなに大事にされなくなっちまって
 こんなのだって、わざわざ作らなくたって安く売ってるもんな
 出来上がったら、もう一回、最初からやってみせるよ

そういいながら、枝毛のように出ている穂先を刈り、
縛ってある藁の根元の切り口を整え、しなり具合を調整し、
吊り下げてバランスを見ては、また曲げたり切ったり。
やっと完成し、小屋の入り口にひょいと掛け置いた。
 
桜の木の下においてあった藁の束を手にして、
適量の半分位を束ね直す。

 これはもう、きれいにした後なんだ
 まずは「はかま」取ってな
 これはさっき取って、あっち、ネギのほうに敷いてきたけど
 取らないと撚りにくいし、
 緑がきれいに出ないんだ

はかまというのは、いちばん外側の葉の、とくに根元の方のことのようだ。
外側の枯れてごわごわになっている葉を取って整えてから縄にするわけだ。


 
しめ縄1


 最初はたたいて、柔らかくする
 強くたたきすぎると、こなれちゃうからな
 あんまり力は入れなくていい
 このくらいでいいだろ

手慣れた手つきで藁の束をまわしながら、
根元の方をひととおりたたく。
木槌とでもいえばいいのか、
これもおじさんが作った道具。年代物だ。


しめ縄2


 ほんとうは藁、湿らせた方が作りやすいんだけど
 そうすっと、乾いてからこの緑色が悪くなるんだよな
 脱穀しないで、米付けたまんま作るとこもあるよ


束ねた藁をまず3房に分ける。
そのうちの2房で縄をなう。
子どもの頃、実家の祖父母がやっていたので見たことはあったが、
こうやって見るのは久しぶりだ。 
両手を擦り合わせるようにして藁の2房をそれぞれ撚りながら
1本に撚り合わせていく。
自分が重しになって、束を固定しているので、
撚る部分が先に行き過ぎると、途中で何度か座り直す。

その後、1本の縄になった藁と残りの藁の房を撚利ながら、
1本にまとめる。
たぶん、先の縄を芯にするようにして、
なっていくのだと思う。

 2人でやるといいんだけど

そう言いながら、両手と口を使って
ビニールの紐で縛って留めて終わり。

何十年も毎年作ってきたのであろうけれど、
あっけないほど淡々と作業は進み、あっという間の完成。
10分もかからない

研ぎ上げられた植木ばさみは、見ていても切り心地の良さを感じる。
仕上げ作業中、いい音がする。
束ねた藁には、硬質な切り口ができる。
植木ばさみの音が止み、
一筆、さっとはらったような
荒神さまのしめ飾りが出来上がり。


しめ縄3


 神社のお札をここに付けたら、
 こんなふうに神棚があるだろ、
 しめ飾りは後ろ、ここにこうやって飾るんだ
 天、地、人、色が違うんだ
 何色だっけな、天が空色で、あと白と…

 こういう飾りもあるんだよ
 こんなふうに、藁の根元を束ねて、もっとおっきいけど、
 そこに棒挿して半紙を四角く、こんな形に切ったのを飾るんだ
 これは神棚のこの前の右側にこうやって置くんだよ

桜の木の下の、いつもはテーブル代わりになっている
ビールケースを神棚に見立て、地面に絵を描きながら説明をしてくれた。


しめ縄4

 
 今日はあったかで良かったですね
 
 そうだな、んでないと、寒いと作るのいやなんだ
 暖かい日に作んないと、手がかじかんじゃってできないから
 でも、こんなに暖かじゃ、正月までに
 葉物がみんなオバケになっちゃうよ
 小松菜、食べた? 食べられた?

 固かったです

 フフ、固かったろ
 霜があたれば、大きくなりすぎた小松菜も
 柔らかくなるけどな

 

081210sononi.jpg


小屋の前、桜の木の下で
しばらくおじさんとおしゃべり。
小屋の横、柿の木の下では猫の「その2」が日向ぼこ中。




12月4日 ハクサイ




081204ojisan


久しぶりのおじさん。
私もなかなか畑に行けなかったが、おじさんもここのところ
畑に来ることができなかったようだ。

 ハクサイ、しばったんだよ
 午前中だと露があってできないけど
 午後からは乾くから
 ホウレン草を採ってやるよ

時期をずらして蒔いたホウレン草、
先の分は順次収穫されて、ホウレン草の帯が短くなっている。


081204hakusai

 
 体が調子悪くっても、
 畑に出れば安心するんだよ

4時をまわると急に寒くなる。
ひと抱えの束になったホウレン草を新聞紙にくるんでもらった。
おじさんは車に乗り込み、エンジンをかけ、
私はホウレン草を抱え、ブロッコリーをカバンに入れ、
反対方向の道、帰路につく。









12月1日 冬の夕方




小屋


あっという間に12月。
半月ぶりの畑は様変わりしていた。

夕方4時過ぎ。
残念ながら、おじさんはもう、帰った後のようだった。
日中は暖かだったが、急に冷え込んできた。

イチョウの黄色い葉が畑を覆っている。
去年もその前も見たはずの景色なのに、
また、初めて出会ったような気がする。

ホウレン草、小松菜、キャベツが順々に収穫された跡がある。
姿は見えないが、ジョウビタキの細く高い声が響く。

小さな広場の前では、
白詫び助が、もう花をいっぱい咲かせていた。
ほのかなよい香り。


wabisuke